6月度座談会御書

6月度座談会御書(平成26年) 妙心尼御前御返事の講義

別名を「病之良薬御書(びょうしりょうやくごしょ)」と言う、妙心尼御前御返事(みょうしんあまごぜんごへんじ)が、平成26年6月度の座談会御書です。

「病によりて道心はをこり候なり」というところが特に重要です。病気という苦悩を因に、仏法を求め、現実に挑戦して克服していく生き方を教えられています。このことを池田先生は、『宿命を使命に変える』生き方とされていて、これはまさに、「願兼於業(がんけんおごう)」の法門に通じるところがあります。

夫の重い病の平癒を願い奮闘する妙心尼への厳愛の励ましが妙心尼御前御返事なのです。

拝読範囲本文

『このやまひは仏の御はからひか・そのゆへは浄名経・涅槃経には病ある人仏になるべきよしとかれて候、病によりて道心はをこり候なり』(御書全集1480ページ1行目から2行目より引用)

拝読範囲通解

この病は仏の御計らいでしょうか。そのわけは、浄名経、涅槃経には、病がある人は仏になると説かれています。病によって仏道を求める心は起こるのです。

妙心尼御前御返事の講義

『浄名経・涅槃経には病ある人仏になるべきよしとかれて候、病によりて道心はをこり候なり』というのは、病気がある人が仏になれると説かれているのは、浄名経や涅槃経に、福徳豊かな仏や菩薩たちが衆生を救うために、あえて病を現ずるのである。という意味です。

このことは実に、私たちが凡夫の姿で悩みの姿を示しているのは、前世であえて願ってそのように生まれて来たのだ、という法理を意味しているのです。このことを「願兼於業(がんけんおごう)」といいます。

それはともかく、「病気になる」ことによって、自分自身を見つめ直して、宿命を強く感じ、そこから、心底、仏法を求めることが出来るようになることを、『病によりて道心はをこり候なり』と仰せになっています。

「道心」を起こす機縁となるのは病ばかりではありません。真摯に仏法を求めていく中に、病気以外のあらゆる苦悩をも乗り越えていける自身へと、人間革命していくことができるのです。まさに、これこそが大聖人の仏法の真髄といえます。

仏法を根本に生き抜いていく時、いかなる人生の苦悩もその全てに意味があり、必ず乗り越えられるとの人生観を現実の上で確立していくことができるのです。

病(病気)と宿命転換に関する御金言(御書)

記事冒頭の「願兼於業(がんけんおごう)」は宿命転換における重要な法門です。

「願兼於業」については記事、願兼於業とは? 願兼於業の祈りと誓願の祈りについて をご参照下さい。

ここでは、以下に、病と宿命転換に関する御金言を列記したいと思います。

『人の死ぬる事は・やまひにはよらず・当時のゆきつしまのものどもは病なけれども・みなみなむこ人に一時に・うちころされぬ・病あれば死ぬべしといふ事不定なり、又このやまひは仏の御はからひか・そのゆへは浄名経・涅槃経には病ある人仏になるべきよしとかれて候、病によりて道心はをこり候なり(妙心尼御前御返事 御書1,479ページ)』

『すでに仏になるべしと見へ候へば・天魔・外道が病をつけてをどさんと心み候か、命はかぎりある事なり・すこしも・をどろく事なかれ、又鬼神めらめ此の人をなやますは剣をさかさまに・のむか又大火をいだくか、三世十方の仏の大怨敵となるか、あなかしこ・あなかしこ、此の人のやまいを忽になをして・かへりてまほりとなりて鬼道の大苦をぬくべきか(法華証明抄 御書1,587ページ)』

『法華経に云く「若し医道を修して方に順つて病を治せば更に他の疾を増し或は復死を至さん而も復増劇せん」(中務左衛門尉殿御返事 御書1,179ページ)』

『此の曼荼羅能く能く信ぜさせ給うべし、南無妙法蓮華経は師子吼の如し・いかなる病さはりをなすべきや(経王殿御返事 御書1,124ページ)』

『此の経は則ち為れ閻浮提の人の病の良薬なり若し人病有らんに是の経を聞くことを得ば病即ち消滅して不老不死ならん(太田入道殿御返事 御書1,010ページ)』

『病の起る因縁を明すに六有り、一には四大順ならざる故に病む・二には飲食節ならざる故に病む・三には坐禅調わざる故に病む・四には鬼便りを得る・五には魔の所為・六には業の起るが故に病む(太田入道殿御返事 御書1,009ページ)』

『夫れ人に二の病あり一には身の病・所謂地大百一・水大百一・火大百一風大百一・已上四百四病なり、此の病は設い仏に有らざれども・之を治す所謂治水・流水・耆婆・扁鵲等が方薬・此れを治するにゆいて愈えずという事なし、二には心の病・所謂三毒乃至八万四千の病なり、此の病は二天・三仙・六師等も治し難し何に況や神農・黄帝等の方薬及ぶべしや、又心の病・重重に浅深・勝劣分れたり(治病大小権実違目 御書995ページ)』

『されば日蓮悲母をいのりて候しかば現身に病をいやすのみならず四箇年の寿命をのべたり、今女人の御身として病を身にうけさせ給う・心みに法華経の信心を立てて御らむあるべし(可延定業書 御書985ページ)』

『病の起りを知らざる人の病を治せば弥よ病は倍増すべし(種種御振舞御書 御書921ページ)』

『妙とは蘇生の義なり蘇生と申すはよみがへる義なり(法華経題目抄 御書947ページ)』

以上。